筋肉痛は正しいワークアウトの証? プロが解説する「真実」と「筋肉痛をケアするコツ」

30 September 2018

筋肉痛は正しいワークアウトの証? プロが解説する「真実」と「筋肉痛をケアするコツ」

特にハードなワークアウトの次の日、動くたびに顔をしかめるほどの筋肉痛に襲われた経験はない? それに自己満足して、まるで“名誉の印”であるかのように「痛い、痛い」と誇らし気に自慢したことは誰にでもあるはず。昔から筋肉痛は効果的なワークアウトの結果だと、まことしやかに言われていた。しかし体のプロに言わせると、どうもそうではないらしい。筋肉痛の都市伝説を解き明かし、質の高いトレーニングと筋肉痛をケアするコツを大公開!

「筋肉痛になるのは良いことでしょ」「努力している証拠でしょう?」「あと数回のワークアウトで。成果が見られるサイン?」。いや、必ずしもそうではないかも。

筋肉痛はプライドを満たすには良くても、体にはそれほど良くないのかも。その理由を詳しく解説!


筋肉痛の正体とは。痛みを引き起こしやすいエクササイズがあった!

「筋肉痛は、トレーニングから1~2日経つと出てくる痛み」 と語るのは、ロンドンの高級ジム「Third Space」のエリートパーソナルトレーナー、アンディ・ヴィンセント。「筋肉に与えられたダメージのレベルによって、明らかな痛みが出るまでに12~48時間かかる。筋肉痛はトレーニング後、最長72時間続くこともある」

たった一度のワークアウトで2日も筋肉痛になるとは限らない。でも、筋肉痛を比較的引き起こしやすいエクササイズはある。

ヴィンセントによると 「通常、筋肉痛はスローなエキセントリック収縮運動=引き伸ばされた筋肉の力で重たいものを下ろす動作から来るもの」。デッドリフトやプルアップ(懸垂)、シングルアームローでウエートや体を下ろす動作がこれに当たる。

「また負荷のかかった組織を伸ばしすぎたり、効果的なウォームアップなしで筋肉に負荷をかけたり、まったく新しいエクササイズを試したりすると、筋肉痛になる確率が高くなる」 と言う。「痛みの原因は、筋組織の破壊、筋組織を取り巻く筋線維の腫れ、または結合組織そのものにある」

デッドリフトが痛みの原因なら、やっぱり筋肉痛はワークアウトが効果的であることを示すサイン?


筋肉痛は効果的なワークアウトのサイン? 原因を探ると、ワークアウトの見直しにもつながる!

筋肉痛は効果的なワークアウトの結果? 端的に言えば、答えはノー。

ヴィンセントいわく、「筋肉痛の有無だけでワークアウトの質を判断できるというのは、よくある誤解」 なんだそう。「新しいトレーニングを始めた最初の1~2週間は、軽い痛みが出て当然。でも、3日も痛みが続くのは、そのトレーニングの中身が悪いことを示していると思って。

たいていは不適切な重さのウエートを使っているか、ボリューム(レップ数=1セットに行う回数とセット)を理解していないかが原因。また、同じような動きばかりで筋組織をいじめている、正しいウォームアップをしていないことなども原因になる」

筋肉痛になったからといって、質の高い効果的なワークアウトをしたことにはならない。けれど、筋肉痛にならなかったからといって、意味のないワークアウトだったわけでもない。

「翌日に痛みが出なくなったら、そのトレーニングは意味がなかったと考えてしまう人は、私自身を含めて非常に多い」 と話すのは、パーソナルトレーナーのカーリー・ロイナ。「ワークアウトが出来るようになると、新しいエクササイズを取り入れて、今までとは違う筋肉の使い方をしない限り、痛みは出ないかもしれない」

つまり、一週間も筋肉痛に泣かされるまで自分を追い込むのではなく、負荷を徐々に掛けて体の限界に挑み続ける質の高いトレーニングをしましょう、ということ。

 

ヴィンセントは、翌日の筋肉痛を期待しながら強度の高いワークアウトを毎晩ひたすらこなすより、動作のパターン、ウエートリフティングのコツとスピードをマスターすることを勧めている。ただし、筋肉痛がないのも質の高いワークアウトのサイン! 惑わされないで。 

「筋肉をつけるのにも、体を強化するのにも時間がかかる。あえて筋肉痛を招くのは、自分にけがを負わせているのと変わらない。これでは次のワークアウトでのパフォーマンスが落ちてしまう。

体脂肪を減らすのが目的なら、トレーニングを繰り返すだけでなく、例えば自転車で通勤したり階段を使ったりするなど、ジムの外でもアクティブに生活することが非常に大切。だけど、筋肉痛が何日も続くと、それほどアクティブではいられなくなり、毎日消費するカロリーの全体量が減ってしまう」

でも、筋肉痛でワークアウトの有効性を測れないなら、何を基準にすればいいの?


今日からトライ! ワークアウトの質をグッとアップさせる「3つの方法」

1.トラッカーを使う

カロリーを消費したり歩数を稼いだりすることを目標としているなら、フィットネストラッカーで数値をチェック。100パーセント正確とは限らないけれど、エネルギー消費量と歩数はそれなりに把握できる。

2.メジャーを使う

ダイエットプランに従って体重を減らそうとしているなら、必ず毎週、体のサイズを測ること。BMIで “健康” と見なされる体重を目指すのではなく、ビフォーアフターの体脂肪率を測定してみよう。頻繁にセルフィーを撮るのも忘れずに。

3.パフォーマンスをチェックする

見た目を変えるのが目的だとしても、ゴールも設定しよう。例えばワークアウトの回数が1回でも増える、ウエートが1キロでも増える、新しい動きを1つでもマスターできるなどがあれば、進歩していることになる。つまり、そのワークアウトプランは大成功! “小さな勝利”を覚えておくためにも、「フィットネス日記」をつけてみよう。


簡単&お役立ち! 覚えておきたい、筋肉痛を和らげる「5つのテクニック」

筋肉痛は時として避けられない。でも、症状を和らげる方法はいくつかある。

1.リカバリーに時間をかける

質の高いワークアウトプランに沿ってトレーニングしているなら、休息と回復にも十分な時間を割いているはず。「そもそもひどい筋肉痛になるようなワークアウトをしないことが常に最優先」 と語るヴィンセントは、「ゆとりをもって回復できるように、一週間の予定を立てて」 とアドバイスしている。

2.マッサージに行く

アスレチックトレーニング専門誌に掲載された文献によると、マッサージとフォームローラーは筋肉痛を和らげるのに効果的。ヴィンセントいわく、「トレーニングの後のサウナや夜のアイスバスにも効果が期待できる」 そう。

3.動き続ける

「新しいトレーニングを始めた最初の1~2週間は筋肉痛になるかもしれない」 とヴィンセント。「翌日もジムへ行き、軽い有酸素運動などのリカバリーセッションで血行を促して。強度の高い運動だけは避けること。軽いストレッチは気持ちいいだろうけれど、痛みの激しい筋組織を伸ばしすぎないように注意しよう」

4.マインドフルに食べて飲む

リカバリーに水分補給が必要なのは言うまでもないけれど、ナトリウムも非常に大事。ナトリウムは、筋けいれんを緩和して、エクササイズによる有毒な老廃物を体が自力で取り除くのを助けてくれる。ヴィンセントによると、「ナトリウムがかなり少ない食事をしている場合は、朝一番にひとつまみの塩とレモンをお湯に入れて飲むといい」 らしい。

5.天然の治療薬だけを使う

 「トレーニング後に、鎮痛剤や抗炎症薬を飲むのは絶対NG」 とヴィンセントは声を強める。「クルクミンのような天然の治療薬を使うのはいいけれど、炎症は治癒プロセスの一環なので、それを薬で抑制しても回復を遅らせるだけだということは覚えておいて」

 

※この記事は当初、イギリス版ダウンロードに掲載されました。

※この記事は、オーストラリア版ダウンロードから翻訳されました。

Text: Abbi Henderson Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images