悩める人の数、国民の8割。正しく動かして「腰痛の痛みストレス」を緩和!!

23 April 2018

悩める人の数、国民の8割。正しく動かして「腰痛の痛みストレス」を緩和!!

「少し前まではなんともなかったのに……」「自分がなるとは思わなかった」。厄介なトラブルである腰痛は、突然訪れるもの。その原因は姿勢? 筋力低下? それとも別の理由? 実は腰痛の原因は色々あり、素人にはなかなかわかりづらいもの。腰痛治療の名医として知られる銅冶英雄先生が解説する腰痛の世界と“痛みストレス”の緩和法。さあ、これで今日からすっきり腰を目指して!

日本人の約8割の人が、一度は悩んだことがあるという“腰痛”。あまりに身近な痛みのせいで、「いつものこと」「安静にしていれば落ち着くから……」と自己流ケアになりがち。

「上半身の重みを支えているのが腰です。日常生活では物を取ったり、拾ったり、身体を曲げたり伸ばしたりと、さまざまな動作をするたびに腰が動きの中心になるため、負担がかかります。

年齢によるものもありますが、座ったままのデスクワークも背骨の土台となる骨盤や腰椎に大きな負担をかけてしまいます。

他にも腰の使い過ぎによる筋肉疲労、精神的なストレスが引き金となって慢性的な痛みが出るもの、内臓の病気など、さまざまな要因があります。腰痛といっても根本的な原因はさまざまなんですよ」と言うのは、腰痛の名医として著書も多数ある、お茶の水整形外科機能 リハビリテーションクリニック院長の銅冶(どうや)英雄先生。 

日ごろの姿勢の悪さが原因の腰痛が、なんと8割以上!

銅冶先生曰く、腰痛は下記の2つに分類することができるという。

◆原因が明らかな腰痛

腰椎椎間板ヘルニアなどの腰の病気、あるいはケガなどによる骨折や、内臓や骨などにできた腫瘍が原因で腰痛が起きている場合。発症原因が明確な腰の痛みのことをいう。専門医が手術や治療などを行う。

安静にしていても痛みが続いたり、発熱が続いたり、体重減少などがある場合は、こちらを疑って。緊急性があるので、専門医にしっかり診てもらうこと。

 ◆非特異的腰痛

レントゲンなどの画像では腰痛の原因が特定できないのに、腰に痛みを感じる腰痛をこのように呼ぶ。腰痛全体の85%がこのタイプにあたるといわれる。

「この非特異的腰痛は、日頃の悪い姿勢などが影響しています。腰に負担がかかり続けることで、椎間板の中にある髄核(ずいかく)のズレが少しずつ起きて、それが痛みとして表れてしまうのです。椎間板は骨と骨の間にあるゼラチン状のクッションのようなものですから、この部分がズレると痛みが生じてしまうわけです」


安静よりも動かす。「痛みストレス」を緩和させる

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ちょっと前までは腰痛が起きたら、安静が一番と言われてきた。でも、最近はその考えは逆転したと銅冶先生は言う。

「耐えがたい痛みの場合は、1~2日寝ていてもいいのですが、ある程度痛みが軽減したら積極的に身体を動かしたほうが、痛みは軽減できるという考え方に変わっています。その理由は大きく2つあります。

ひとつは、悪い姿勢でズレたままになっている髄核をストレッチなどで戻してあげれば、痛みは改善できます。

もうひとつは、身体を動かすということは腰痛を治そうという気持ちの表れなので、やる気物質が脳内から分泌します。このやる気物質には鎮静効果、“痛みストレス”を抑える効果もあることがわかってきました。

でも身体を動かしたほうがいいといっても、ハードな運動がよいわけではありません。昔から、腹筋や背筋が弱まると腰痛が発生すると、腹筋トレーニングなどのハードな筋トレを薦める人がいますが、これは誤解です。

マッチョなボディビルダーも、理想的な筋肉を備えたスポーツ選手でも腰痛を抱えている人は少なくありません。筋肉を鍛えるよりも、長年の生活習慣でズレてしまった髄核のタイプを把握して、そのタイプの合ったストレッチで改善してあげることが重要なのです」 

あなたはどのタイプ? 3タイプで簡単ケア

銅冶先生の腰痛ケアのメソッドを、簡単にご紹介。

下記のA~Cのタイプを診断する動作を行い、痛みが出なかった動作を自分向けのストレッチとして繰り返す。1回では判断できないことも多いので、ゆっくり10回ぐらい繰り返して、自分のタイプを見つけてみて。 

A 後屈改善タイプ

腰に両手を添えて、ゆっくりと後ろに腰を反らす動作をしてみて。この動作をすると痛みが軽くなるという人は、このタイプ。

★実践! 「改善ストレッチ」のやり方

1 両足を肩幅に開き、まっすぐ立つ。腰の左右に両手を添えておく。

2 ゆっくりと上体を後ろに反らせる。このとき、首が反ってしまったり、膝が曲がらないように注意を。無理なく反れる位置で3分間キープ。ゆっくり身体を元に戻す。これを10回繰り返す。 

 

B 前屈改善タイプ

ゆっくり前屈のポーズを取ってみて。この動作をすると痛みが軽くなるという人はこのタイプ。

★実践! 「改善ストレッチ」のやり方

1 両足を肩幅に開き、立つ。

2 そのまま反動をつけずに、ゆっくりと前屈。3秒キープしたら戻す。これを10回繰り返す。

 

C 側方屈改善タイプ

A、Bをやっても改善しなかった人に多いのがCタイプ。腰を左右にゆっくりと動かして、痛みが出たらこのタイプ。

★実践! 「改善ストレッチ」のやり方

1 肩幅に足を開き、立つ。

2 痛みが出た側の逆側へ、ゆっくりとお尻をずらすように真横に腰を傾ける。これを10回繰り返す。

 

 

腰は文字通り“身体の要”。フィットネスでも重要なパーツだけに名医がガイドするストレッチで、大切な腰を労り、守ってあげて。

 

PROFILE

銅冶英雄(どうや・ひでお)先生

お茶の水整形外科機能 リハビリテーションクリニック院長。整形外科医。1994年日本医科大学卒業後、千葉大学附属病院、成田赤十字病院、国立がんセンター中央病院などに勤務。海外留学などを経て、2010年、お茶の水整形外科機能リハビリテーションクリニックを開院。長年腰痛に悩まされた経験を生かし、独自のメソッドを開発。『4万人の腰部脊柱管狭窄症を治した! 腰の痛みナビ体操』(アチーブメント出版)、『腰痛治療「0分」革命!』(主婦と生活社)など著書多数。

Photo:Getty Images Text:Manabi Ito