フィットネスはもっと自由でいい! 栗原ジャスティーンさんが伝えたいこと

26 July 2018

フィットネスはもっと自由でいい! 栗原ジャスティーンさんが伝えたいこと

2017年まではフィットネスビキニの大会を目指してトレーニングをしていたという栗原ジャスティーンさん。昨年秋に大会で6位に入賞したことで、「競うための身体作り」「見せるための身体作り」は卒業したという。そんな彼女が今、目指しているのは「動ける身体」。


自分の長所を伸ばせば、自分をもっと好きになる

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「今年30歳になるんですけど、今までで一番速く走れるし、一番高くジャンプもできるし、一番健康。ずっと風邪もひいていません。今はこの身体をできる限りいいものにしていくことにフォーカスしています」

そんな彼女の目下の目標は、日本でフィットネスカルチャーをもっと浸透させ、多くの女性たちを「美の固定概念」から解放していくこと。 

「私のゴールは、みんなの目標となる選択肢をひとつ増やすこと。インスタのコメントなどでも、『私、太ももが太いんですけど』というような質問が多いんです。たぶんそれは、太いのではなく、太いと思いこんでいるだけ。雑誌などで細い脚を見て、自分の脚は太いと思いこんでいるだけなんです。私は、脚は太ければ太いほど魅力的だと思っています。だからもしかすると彼女たちにとってその太ももは魅力・長所になるかも知れない。それなのに美しさのサンプルがひとつしかなくて、それに当てはまらないから、自分の脚は醜いという発想になってしまうのだと思います」

「海外では、大会に出るわけじゃないけれど、毎日ジムにいるっていう子がいっぱいいます。それは自分の長所を伸ばすためのトレーニング。自分の長所が必ずしもどこかの大会に当てはまるとは限らないですよね。だけど、彼女たちはただ自分の長所を伸ばして、それで満足しているんです。私はそういう人たちに魅力を感じます」

「体型だってそう。お尻がすごく大きいとか、ボリューム感がある体型の人もいる。様々な体型の人がトレーニングをしているし、トレーニングで目指しているものも色々。でも日本では大会に出ている方のような身体こそが、トレーニングのゴールのように捉えられていると感じます。だから私が全然違う身体を作って、こういう身体もいいな、と思ってもらったり、自分にはどんな身体がいいかなと考えられるようになったらいいなと思います」


苦手なストレッチと、怖いバック転にも挑戦中!

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そんな栗原さんが今筋力トレーニング以外に取り組んでいるのが、バック転の練習やヨガ、そして苦手なストレッチ。

「見せる競技のためのボディメイクをしていても、例えばみんなで海に行ったとき、ビーチで何かしてみて、と言われてもポージングくらいしかできない。そういう時に、バック転ができたらかっこいいでしょ? だからレッスンに通っています。ヨガも、私は身体が硬いからすごく苦手だけど、毎週通っているし、一番苦手なストレッチにも取り組んでいます。筋力と柔軟性があれば、身体の可動域は格段に広がりますから。今はそうやって、自分の目標のために頑張れるのがすごくうれしいんです」 

自分が決めた目標のために頑張れることがうれしい。そう感じるのは、これまで3年にわたって決められた基準の中で争う競技のために身体作りをしてきた経験があるから。フィットネスビキニの大会では、大会が決める理想のスタイルを作る必要があった。

「取り組む運動の種目を増やせば、メンタルも広がると思うんですよ。ストイックにひとつのことを追求しながら、食事も制限したりしていると視野もどんどん狭くなって、意外とポジティブじゃない方向に向かってしまう可能性がある。逆にいろんなことにトライして、柔軟にいろんなものを取り入れてみたら、メンタルが大きく変わりました」


トレーニングの前に、自由でポジティブなマインド作りが大切

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日本のフィットネスムーブに先駆け、フィットネスの魅力を発信してきた栗原さんだが、最近のブームについて危機感を感じることもあるそう。

「最近多くの人にフィットネスが受け入れられているのはうれしいのですが、同時にメディアに出ている人が、腹筋が割れているような体型ばかりで、私は鍛えて男性みたいな体型になりたくない! という声を聞くことも増えてきました。それがちょっと悲しいなと思います。だから筋トレをしても男性のような体型にはならないということも、ちゃんと広めていきたいなと思います」

そんな彼女がこれからやってみたいことのひとつが、セミナーなどでトレーニングだけではない、メンタルのあり方を伝えていく活動。そんな考えに至ったのは、日頃から彼女のインスタグラムに寄せられる質問の数々に対して根本的な考え方を変えて欲しいという思いがあるため。

「身体をひねった時に脇腹にシワができることに悩んでいるとか、ご飯は何グラム食べていますか? というような細かい質問が多いんです。私は、そのシワをかわいいと思えるメンタルがあればいいじゃない、と思うのですが、そういうことが気になる方もいらっしゃるんですよね。食事も、毎食神経質に分量を気にしなくても、今日はいっぱい食べちゃった。アハハ! でいいと思う。あまり細かいことにとらわれると、それがストレスになってまた食べてしまうとか、いいことはないと思います。とにかくストレスフリーになってワークアウトを楽しんで、食事も好きなものを作って食べればいいんじゃないかな」

彼女がインスタグラムでチェックしているのは、海外のフィットネススターたち。「見ているだけで面白くて元気になる」と教えてくれたお気に入りユーチューバーのひとりが、アシュリー・ノチェラ。

https://www..com/channel/UC9yqh_nc7JgWqQSMiE8EP7w

「水着で雪の中を泳いでみたり、やっていることはコメディアンのようだけど、身体能力はすごいんです。片脚を怪我してギブスを巻いているのにもう一方の脚でスクワットをしたり、やっていることはめちゃくちゃだけど、そのトレーニング法が合ってるとか間違っているとか言えないくらい、適当で面白い。それはそれでいいな! と思います」

トレーニングやフィットネスはもっと気軽で、自由でいい。日本でフィットネス文化が浸透すると同時に、「美しさの多様性」も広まるように。栗原さんの新たな発信は始まったばかり。

Photo : Kento Mori Hair & Make-up : Yuki Ishizawa