涙がストレス解消に役立つ理由とは?

27 October 2018

涙がストレス解消に役立つ理由とは?

最近泣いたのはいつ? 大人になってから、泣くことを我慢する事が当たり前になっているのでは。でも、涙を流した時にはすっきりしたと感じる人は多いはず。実は涙には、脳をリラックス状態にする力があるという。そこで今回は、涙活(るいかつ=涙を流す活動)のイベントも開催している「セロトニンDojo」の有田秀穂先生にそのメカニズムについて伺った。


ストレスが脳から消える? 涙の効用について

「どんな感情で泣いたとしても、スッキリします」と話す有田秀穂先生。涙を流した人は、「すっきりした」、「心の緊張がとれた」「眠くなる」「おなかがすいた」という意見が多いそう。

有田先生によれば、「これは、ストレスが脳から消えたということです。ストレスをためないということは、憂鬱な気分になることを避けられます。現代人はストレスが多いので、早い段階で心のケアをすることが大切です」。その1つの方法として、「涙を流すこと」はストレスを解消する効果があるという。

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涙は、副交感神経を働かせるスイッチ

「涙を流すときは、通常リラックスしているときに優位になる副交感神経がサインを出します。交感神経が活発な時でも涙活をする事で、副交感神経にスイッチが入って、脳がリラックス状態になり、ストレスを解消できるのです」と有田先生。

今の現代人はストレスが多く、交感神経が活発な状態だそう。そして、不眠が続きストレスを溜め込んだまま生活をしているので、脳もお疲れ気味。だからこそ、泣くという特別な行動で、脳を副交感神経が優位な状態にスイッチするとリラックスできるということ。


ストレス解消に効果がある涙の種類は?

涙とひとことでいっても大きく分けると3種類ある。

1. ドライアイ
2. 目にゴミが入ったときの涙
3. 感情の涙

ドライアイや、目の汚れによる涙はストレスを軽減する力はない。一方、感情による涙は、一粒でも流すことができたならば、脳のストレスは緩和される。


子どもの涙、大人の涙

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子どもの頃は、私たちは自分のストレス(嫌なこと)で簡単に泣いたけれど、大人になると自分のストレスのために泣きにくくなる。それは、成長する過程で、自分のストレスによる涙は我慢するようになってしまったため。大人になると涙もろくなると聞くけれど、それは共感した時に出る涙。

「私たち人間は、オリンピックでの表彰台のインタビューや感動的なドラマで泣くことができます。そのような他者に対する共感がベースとなった涙を流すことができるのは人間だけです。人間しか持っていない能力を活かしてしてストレスを解消しましょう」と有田先生。


どのくらいの頻度で泣けばいいの?

「大人になってしまうと泣く機会が減り、4分の1の女性は月に1回も泣きません。その日のストレスは、その日に解消するのが望ましいですが、毎日涙を流すのは難しいので週末号泣をおすすめしています」
胸がキュッとなって泣きそうになったら、そのあと10秒から30秒ほどで涙は出るので、涙を我慢しないことが重要だとか。

泣く事を意識的にライフスタイルの中に取り入れて、1週間のストレスは休日に発散しよう!

 

 

お話を伺ったのは…
有田秀穂(ありた・ひでほ)先生

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セロトニンDojo代表、東邦大学名誉教授
東京大学医学部卒。東邦大学医学部にてセロトニン・オキシトシン・前頭前野について研究。2013年に退職、名誉教授となる。メンタルヘルスのセルフケアを指導するセロトニンDojoを開設、代表を務める。主な著書に『脳からストレスを消す技術』(サンマーク出版)、『セロトニン脳健康法』(講談社+α新書)、『脳からストレスをスッキリ消す事典」(PHPビジュアル実用BOOKS)など50冊以上。

セロトニンDojo
http://www.serotonin-dojo.jp/whats.html

Photo: Getty Images