判明、睡眠時間は幸福感にも関係! 眠りの新トレンドは「睡眠込みの1日マネージメント」

08 October 2018

判明、睡眠時間は幸福感にも関係! 眠りの新トレンドは「睡眠込みの1日マネージメント」

睡眠不足が体にトラブルを起こすというのは、何となくイメージしてきたこと。けれど最新の研究では、よい睡眠は幸福感にもつながっていることが判明。しかし、日本人は万年睡眠不足。最近のリサーチでは、再び「最も睡眠時間が短い国」の首位を記録した。快眠セラピストの三橋美穂さんによれば、日本人は睡眠不足だけではなく、“眠りの質”も悪いと言う。その反作用か、今、経営者やヘルシーマインドが高い人々の間では、良質の睡眠を確保する動きがあるそう。これからの「眠りの新マネージメント法」を、睡眠のエキスパートが解説!

睡眠が健康にとって重要だということは、多くの人が知っているはずです。でも健康だけではなく、“気持ち”にも深く関与していることが判明してきた。


いい睡眠は、「3,000万円の宝くじ当選」と同じ気分!

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英・ウォーリック大学の心理学者のニコル・タング氏は、4年の歳月をかけて約3万人近くの睡眠パターンを分析し、健康や心理などを調査。その結果、よく眠れたという睡眠は、3,000万円の宝くじに当選したのと同程度の“幸福感”に匹敵することが分かった。

また、英・オックスフォード・エコノミクスとナショナル・センター・フォー・ソーシャルの研究者が行ったのが、約8,000人のイギリス人を対象とした幸福指数の調査。最も幸福感に結びつく要素は、「健康」や「仕事の担保」「セックス」を抜いて、「睡眠」が上位に躍り出た。幸福感が高い人ほど、しっかりと休息や睡眠をとっていることが判明。

しかし幸福度の調査で日本は、残念ながら低い結果に。2018年3月に国連が発表した「世界幸福度ランキング」では156カ国中54位で、前年の51位からさらに後退。

「幸せの価値観は、人それぞれ異なるので一概には言えませんが、この幸福度ランキングと睡眠時間を示すランキングには関連性が見られます」と指摘するのは、快眠セラピスト・睡眠環境プランナーの三橋美穂さん。

 「幸福ランキング1位のフィンランドでは、睡眠時間を8.46時間もとっているのに対して、日本は1時間近く短い7.36時間が平均です。さらに、平成29年の厚生労働省の調査では、40~50代女性の半数以上が6時間に満たないと報告されています。世界で最も睡眠時間が短い国と言われています」


6時間を切ると生活の質は急激に低下。経営者の間でも睡眠不足はご法度に

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日本の睡眠時間は、2014年時点の調査からさらに短くなり、ますます日本人が万年睡眠不足であることが指摘されたと言う。

「しかも日本では、睡眠の満足度が低いのも特徴。睡眠不足を実感している人が3割近くいることが報告されています。さらに問題視されているのが、睡眠時間が6時間未満の人が増えていること。睡眠時間が6時間を切ると、身体へのさまざまな影響が急激に出やすくなります。例えば、糖や細胞の代謝が低下したり、ストレスも受けやすくなります。4時間半の睡眠が5日間続くだけで、うつ症状に近い脳機能低下が起こるという報告があるほどです。

また翌日の生活に影響することも多く、睡眠時間が短くなるほど、仕事の効率が低下することも分ってきています。最近、デキる経営者の間でストレスを回避するマインドフルネスがブームですが、それと同じように睡眠の重要性も見直されていて、ダラダラと起きているライフスタイルを見直す動きが出てきています。

日本人は睡眠を何もない時間、“無の時間”と考えがちですが、最近では睡眠を含めて1日をマネージメントできることが成功の秘訣である、という流れに変わってきているのです」

 

■お話を伺ったのは……
三橋美穂(みはし・みほ)さん
快眠セラピスト・睡眠環境プランナー。寝具メーカーの研究開発部長を経て、睡眠の専門家に。睡眠関連事業のコンサルティングから、睡眠の悩みの相談、講演、執筆まで、幅広く関わる睡眠のスペシャリスト。『CDを聞いて ゆったり深~く 眠れる本』(PHP研究所)、『驚くほど眠りの質が良くなる睡眠メソッド100』(かんき出版)など著書も多数。http://sleepeace.com/

Photo:Getty Images Text:Manabi Ito