最も簡単で最も効果的な、スクワットを徹底マスター

16 June 2017

最も簡単で最も効果的な、スクワットを徹底マスター

全身美を手に入れたいなら、いちばん効くエクササイズはみんなが最も苦手とするスクワット。でもこれを読めば、もう大丈夫。あなたにぴったりのスクワットが見つかるはず。

“正しいスクワット”への熱心な探究心は素晴らしいけれど、ひとつ見落としがちな根本的な問題が。それは、体型やケガ、過去の手術などによって、最適なスクワットの方法も個々人で異なるということ。

多くの人が、マニュアル通りのスクワットを完璧にこなさなければいけないと勘違いしていることが問題。「フィットネスの専門家たちが学んだ正確なスクワットの教科書的定義が、そのままクライアントに伝わる。でも、たくさんの人のトレーニングに携わると、すべての人が同じようにスクワットを行うのは非現実的でむしろ不可能であることがわかる」と語るのは、理学療法士で認定ストレングス&コンディショニング スペシャリスト、そしてボストンにある「チャンピオン フィジカルセラピー&パフォーマンス」のオーナーでもあるマイク・ライノルド。

これは、プランクや腕立て伏せ、腹筋のような他の基礎的運動と比べてスクワットは、複数の筋肉と関節が同時に多方面に動くため。

「ここまでダイナミックだと、骨格から可動性までの様々な要素がスクワットの動きに影響する」とレイノルド氏。とは言っても、スクワットの有効性を最大限まで引き出しつつケガから身を守るために、教科書的なフォームの指標はもちろん重要。でも、それを完璧に模倣しようとするのは逆効果。「完璧なスクワットとは、痛みを引き起こさずに身体を鍛えることができるエクササイズ」とフーゲンブーム氏。

ここでは、具体的な悩み別に適切なスクワットの種類を一流の専門家たちがレクチャー。あなたの身体にしっくりくるスクワットを探して。


【あなたの体型に合ったスクワットはどれ?】

【あなたの体型に合ったスクワットはどれ?】

スクワットは、フリーサイズの服のように決まった型に自分の身体を合わせるものではない。「解剖学上、完璧な人はいないのだから」とライノルド氏。色々な種類のスクワットを試してみて、自分の身体、特に手足の形や動きに合ったフォームにアレンジすると、より効果的なエクササイズに。以下8つのバリエーションをチェックして。

1. フロント(ゴブレット)スクワット
おすすめ:胴が長めの人

胴体が長いと、上体の重みで前傾しがち。身体の前にウェイトを持つことで、バランスを保って。ウェイトは、臀部、ハムストリングス、大腿四頭筋に均等に体重を分配するので専門家の間でも大人気。

フロント

2. ボックス スクワット
おすすめ:脚が短めの人

箱や椅子の上にスクワットする方法は、通常より低い位置まで腰を落とすことを可能にし、倒れて怪我をする恐怖も払拭できる。

ボックス

3. バンド スクワット
おすすめ:外反膝の人

太もも周りに取り付けたバンドは、膝をより平行なポジションに誘導してくれる。バンドが太ももを内側に引っ張ることで、それに抵抗する動きをするように脳が指令を出す。

バンドスクワット

4. バック スクワット
おすすめ:胴が短い人

特に身長が平均(158cm)以下の人は、肩の上にバーを乗せることで、腰を傷めずに後部に体重をかけることが可能に。

バックスクワット

5. 相撲スクワット
おすすめ:ヒップが堅い人

肩幅以上に足を広げてつま先を外に向けることで、後部と内腿を離し、骨盤が下がる余裕を与える。

相撲

6. 踵乗せスクワット
おすすめ:扁平足

土踏まずがないと、踵に重心を乗せるのが難しい。この場合、踵を上げることで重心をあるべきところ(後部に)戻すのが正解。

踵のせ

7. ガニ股スクワット
おすすめ:脚が長い人

つま先を45度外側に向けると(相撲スクワットほど極端に開かない)、脚の長さに邪魔されずに深めのスクワットができる。足の中指と膝を平行にするのをお忘れなく。

がに股

8. ダンベル スクワット
おすすめ:左右非対称な人

両サイドにダンベルを持ってスクワットすると、重心が左右どちらかに偏るのを矯正してくれる。鏡を見て、片方のダンベルがもう片方よりも地面に近ければ意識して直そう。

ダンベル


【目的別・スクワットの取り入れ方】

【目的別・スクワットの取り入れ方】

ドブス氏が4つのゴール別に、有効にスクワットを使う方法を紹介。

<ダイエット(減量)が目的の場合 >
筋肉を増やして脂肪を燃やすには、週に1、2回フロントかバック スクワットを最大制限重量の50〜60%のウェイトを使って5回、6セット行うのが◎ 3回目から少し重めのウェイトに変えるとより効果的。

<速く走るのが目的の場合>
ヘビーなフロント スクワット(最大制限重量の75%)を3〜5回、3〜5セット繰り返して、筋肉の強化を。また、片脚を後ろに引いて足を椅子にかけ、前の脚はランジの形で行う、ブルガリアン スクワットを片足10回ずつ3セットも効果的。この2種類のスクワットを週に1、2回行うのがベスト。

<腰痛の改善が目的の場合>
医者からの許可があれば、フロントかボックス スクワットをゆっくりとしたペースで5回、3〜5セット試してみて。腰回りと腹筋を固定することを意識して背中の筋肉を伸ばそう。

<ヒップラインをシェイプアップしたい場合>
最大制限重量の60〜70%のウェイトを使ってバックスクワットを6〜10回、3〜5セットにトライ。反動を利用して跳ねるのではなく、お尻の筋肉を意識しながら丁寧に行うのがポイント。


【スクワットで、身体の不調を見つけて】

【スクワットで、身体の不調を見つけて】

トレーナーの多くは、クライアントの身体の状態の判断材料としてスクワットを活用する。「スクワットで、ほぼすべてのことがわかる」と話すのは、ニューヨークのライト フィット ジムのパーソナル トレーニング マネージャー、カイル・ドブス。“すべて”というのは、トラウマや慢性痛のようなフィジカル ヒストリーや、現在の習慣(座る、立つ、歩く、走る、ストレッチ、エクササイズ、それぞれの頻度) 、そして強みと弱み(筋肉のバランスの乱れなど)までを含む。さっそく、自重スクワットで以下のポイントをチェックして。

 <膝が内側に寄る場合>
腰を落としてスクワットのポジションになったとき、膝が内側に入り込んで、膝の位置が足の真ん中ではなく親指寄りにくる人は、外反という症状。これは、膝関節痛の原因となるだけでなく、時として前十字靭帯の損傷につながることも。

原因:長時間座ったり、ストレッチをせずに走ったりすることによって生じる、腰回りの柔軟性の欠如を原因と考える専門家たちがいる一方で、足首の固さも関係していると指摘する研究もある。足首の可動領域が制御されていると、スクワットの時に足が寄りやすく、膝を含む脚全体が内側に入ることに。

改善策:座る時間を極力減らし、起床時、運動前、そして寝る前に最低3分間、鳩のポーズやランジを行ってヒップのストレッチを。また、1日3セットのグルート ブリッジを週4回トライして。ハムストリング(太ももの裏の筋肉)や臀部を強化すると、腰周りにかかるストレス軽減につながる。
足首の可動領域を改善するには、毎日足で小文字の「t」をなぞるのが効果的。

<脚が左右非対称になる場合>
体重が左右どちらかの脚に乗ることによって、身体のバランスが崩れる現象。鏡を見て確認を。 

原因:体重を乗せない方の脚に何らかの怪我を負った心当たりは? 直近であれば脚に不快感を感じるはずだし、過去のものである場合は健康な方の脚が強化され、すでに筋肉のバランスの乱れが生じている可能性が。丈夫な方の脚は反対側の脚をかばい続け、最終的にどちらの脚も怪我する結果になりかねないので、痛みのありなしに関わらず、バランスの乱れは直すのが鉄則。

改善策:理学療法士にみてもらい、片足にだけ体重をかけてしまう原因を突き止めて。診断結果が出たら治療を。

<腰が屈曲する場合>
腰を落とした時に尾骨が押し込まれ背骨が曲線を描く、専門家たちが「バット ウィンク(butt wink)」と呼ぶ現象は、椎間板ヘルニアを招くことも。

原因:股関節屈筋が堅いと、 深いスクワットをする時に骨盤の動きを制御し、代わりに背骨が骨盤を後ろに傾けるサポートをする。腹筋を固定するのではなく凹ましてしまうことが、背中の屈曲を招くもうひとつの要因。

解決策:立ったまま片膝を胸に抱え込み、股関節屈筋のストレッチ を両足1分間ずつ、1日に最低2回やってみて。腹部の安定性を高めたいなら、フォアアーム プランクやサイド プランクなどのプランクのポジションで、腹筋に力を入れて固定し(誰かにパンチされそうなのを想像して!)、横隔膜を使って呼吸をする練習をして。

<膝の位置が足指を超える場合>
スクワットで屈んだとき、膝が足のつま先と垂直に並ばずにそれを超えてしまい、身体がわずかに前傾。踵は地面から離れ、重心も前方に傾く。背面引き締め効果が全く期待できないだけでなく、バランスを崩して倒れる危険性も。

原因:この問題はたいてい臀部の筋肉を正しく使えていないことに起因する。つまり、臀部とハムストリングスの代わりに、大腿四頭筋(太ももの前部分)がスクワットの動きをすることに。踵が地面に着かない人は、ジョギングやハイヒールを履く習慣から堅くなったふくらはぎと足首が悪さをしているかも。

解決策:デッドリフトやドンキーキックで臀部を鍛え、ダウンドッグのポーズで膝を交互に曲げることで下腿に柔軟性を取り戻して。

<腰がアーチ状になる場合>
背中がシャープなV字ではなく、自然なカーブをはるかに超えた弓形の弧を描く場合、このポジションにおける背骨への負担( ウェイトを使ったトレーニングは特に)も、椎間板を痛める原因に。

原因:今回は堅いヒップに加えて、背中の両脇に広がる広背筋が緊張していることが原因。骨盤が前傾することでヒップも前方向に回転し、お腹が突き出て背骨は曲がってしまう……。

解決策:少なくとも週に2回はプランクで体幹を強化し、横向きになってフォームローラーを脇の下から上下に動かし、広背筋の刺激も欠かさずに。

Photo : Christopher Griffith  Translation :  Mayu Nakanishi