ナプキンは何時間で替えるべき? 知ることが健康につながる「生理」と「腟」の基本のき

29 November 2018

ナプキンは何時間で替えるべき? 知ることが健康につながる「生理」と「腟」の基本のき

ダウンロードが成城松村クリニックの松村圭子先生とともに、生理との上手な付き合い方を紹介する「生理特集」。

4回にわたりお届けしてきた特集の最終回は、意外と知らない「生理と腟(ちつ)の基本のき」。ナプキンを交換するタイミングや腟の洗い方、生理アプリを有効活用する方法はちゃんと把握できている?


菌の繁殖につながる恐れも。ナプキンは1日何回取り換えている?

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ナプキンは、「せめて3時間で取り換えましょう」と教えてくれたのは、女性の体に詳しい成城松村クリニックの松村先生。「昼用ナプキンが1時間もたないのでは経血量が多すぎますし、1日1、2回だけ替えれば済む人は少なすぎます」

「デリケートゾーンは湿度がとても高いので、いくらナプキンの吸収率がよかったとしても、むれやかぶれにつながる可能性があります。さらに出血している生理中は、血液が大好きな雑菌も繁殖しやすい環境になっています。高温多湿な状態ですと腟カンジダ症なども生じやすいですし、雑菌が腟の中で繁殖すればかゆみなどの症状が生じる『細菌性腟症』を引き起こしかねません」

ポイント:
・ 「ナプキンが吸収してくれている=長時間取り換えなくてもいい」ではない
・ どれだけ吸収力がいいとしても3時間を目安に取り換える


善玉菌も流してしまう可能性も。腟の「中」までゴシゴシ洗っていない?

「腟の中は自浄作用があるので洗う必要はありません」と松村先生。逆にゴシゴシ洗ってしまうと、せっかくいる善玉菌も流れてしまうのだとか。

ケア方法としては、外陰部に専用ソープを使うこと。「デリケートゾーンは通常の皮膚に比べると酸性寄りなので、実は通常の皮膚と同じようにケアをするのはよくありません」

ポイント:
・ 腟の中まで洗わない
・ 外陰部には「デリケートゾーン専用ソープ」を使う


生理アプリを有効活用できていないかも! 生理アプリで記録した基礎体温は、グラフで見ている?

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自分の生理周期は何日なのか。普段の経血量はどれくらいなのか。生理の間感じる痛みはどのようなものなのかなど、自分の生理の「パターン」をつかんでおくことが大切。松村先生は、20~30代では自分の「パターン」が変わることはあまりないと言う。そのため「いつもの痛みとは違う!」と感じて病院に来た人の中には、「子宮筋腫」や「子宮内膜症」などの病気が隠れていた人もいるそう。忙しい生活に追われているとつい忘れてしまう人も多いけれど、「せめて生理が始まった日は把握しておきましょう」と松村先生。

自分の生理周期をつかむために始められることの一つは、生理アプリ。でも「基礎体温」を毎日入力するのなら、1日ごとの変動を見るのではなく、グラフにして「俯瞰(ふかん)で」見るようにして。なぜなら『基礎体温を記録する』という行為以上に大事なのは、排卵日を境に低温期と高温期の二つに分かれて、基礎体温が「二相性」になっているかを確認することだそう。

「通常であれば低温期と高温期の間に排卵が起こります。次に高温期に入り、生理が始まるとまた低温期に移ります。このように二相性を示しているかはグラフ化をしないとわかりません。毎日記録することに一生懸命になりがちですが、グラフにして俯瞰(ふかん)で見ることが大切です」と松村先生。

ポイント:
・生理アプリに入力した毎日の「基礎体温」は、低温期と高温期の「二相性」になっているかを俯瞰(ふかん)で確かめる


卵巣がん予防にも、生理不順のケアにも。「ピル」を視野に入れたことはある?

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ピルを飲むと周期が整うこともあり、生理不順のケア法として生活に取り入れる女性も少しずつ増えているとか。ところが、飲み始めた当初は不正出血や吐き気が起こることがあり、不安を覚えてしまう人も。ただし、「1カ月ほどたつと落ち着いてきます」と松村先生。

さらに初めて処方されたピルが体に合わないと、「自分にピルは合っていない」と思ってしまう女性も中にはいるそう。でも、「必ずしもピル自体が自分に合っていないとは限らない」と、松村先生。「ニキビができてしまう、など症状をヒアリングした上で適しているピルを提案しますが、自分に合っていないと感じる場合はまずドクターに相談することが大切です。中には『次に処方されたピルの方が自分に合っていた』というケースもあります」

松村先生は、その他にもピルをおすすめしたい理由が一つあると言う。「ピルは、卵巣がんのリスクを減らす効果もあると言われています」。現代人女性に増えていると言われる卵巣がん。「その理由として考えられるのは、排卵回数の多さです。現代女性は、昔に比べて初潮年齢が早く、妊娠する時期も遅く、そもそも妊娠する回数が少ない傾向にあります。昔と異なり、排卵回数の多さが卵巣がんになるリスクを高めるとも言われています。そのため『ピル』で排卵を抑制すると、リスクが減らせることも考えられます」

「卵巣がんは早期ですとほとんど自覚症状がないので、自覚がある場合は『進行しているサイン』と捉えた方がいいかもしれません。進行した卵巣がんが見つかる頃には、5年生存率は残念ながら低いのが現状です。定期的にエコー検査(超音波検査)を受けることで、できる限り早い段階で見つけてほしいですね」と松村先生。ちなみに人間ドックなどの婦人科検診では、エコー検査が付いていない場合も。「検査内容をチェックした上で、付いていなければ加えてみてください」

ポイント:
・ 生理周期も整えてくれるピルは、生理不順のケア法の一つでもある
・ 現代人女性に増えている「卵巣がん」。排卵数を減らしてくれる「ピル」も、予防をする一つの方法


生理前は便秘、生理中は下痢に悩まされていない?

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生理前や生理中に腸の調子がおかしいと感じるのは、実は女性ホルモンの影響でもあるよう。
「排卵後に分泌されるホルモン、プロゲステロンは腸の動きを抑制するので、生理前は便が滞りやすくなります。さらに体内に水分をためこむ作用もあるので、生理前にむくみやすいのはその影響もあります」。便秘になりやすい場合は、前回松村先生がアドバイスしていたように自炊を取り入れて。「日頃から水溶性の食物繊維や乳酸菌などを摂るよう意識することが大切です」

一方で、生理中に分泌される女性ホルモンのプロスタグラジンは、「腸の働きを活発にするので、生理中は下痢になりやすいです」と松村先生。「だからこのように体が反応することを『嫌』と思うのではなく、ホルモンが変動して正常に働いている証拠だと思うのも大事です」

ポイント:
・生理前の便秘や生理中の下痢は、体がしっかりと機能している証拠

「生理とうまく付き合うためには、自分の体に興味を持って、目を向けることが大切です」と松村先生。悩ましい生理痛や生理不順と上手に付き合っていくためには、体で何が起きていて、それに対してどのような選択肢があるかを知っておくことが大切。そして、不安を感じたらドクターに相談するのを「当たり前」にしてみて。基本的なライフスタイルの見直しなど、できることからまず始めてみよう。

■今回お話を伺ったのは……
松村圭子(まつむら・けいこ)先生
婦人科専門医。成城松村クリニック院長。日本産科婦人科学会専門医。大妻女子大学非常勤講師。西洋医学のほか、漢方薬、サプリメント、プラセンタ療法などを治療に取り入れている。雑誌、Web、テレビなどのメディアを通して女性ホルモンや生理、更年期についてわかりやすく説明し、ささいなことでも相談できる女医として人気。著書『女30代からのなんだかわからない不調を治す本』(東京書店)、『医者が教える女性のための最強食事術』(青春出版社)など。