体の「痛い箇所」別。症状から探す、睡眠の質が上がる最適な枕&寝姿勢

30 November 2018

体の「痛い箇所」別。症状から探す、睡眠の質が上がる最適な枕&寝姿勢

イギリス版ダウンロードが行った調査によると、80%の女性は少なくても月に数回、23%は毎晩何かしらの睡眠トラブルを抱えていると報告している。アメリカ国立睡眠財団によると、50%の女性は朝スッキリ目覚めることができず、体に痛みを感じ、気分がぼんやりしているそう。

良質な睡眠を手に入れる上で大切なのは「睡眠時間」に合わせて、症状に合った「寝姿勢」。専門家のアドバイスをもとに、イギリス版ダウンロードより症状別でおすすめの寝姿勢をご紹介。


胸焼けがひどいとき→左側を下にして、横向きに寝る

「左側を向いて寝ると、食道と胃をつなぐ筋肉『下食道括約筋』への負担が軽減できます」と話すのは、睡眠の専門家プリヤンカ・ヤーダブ医師。食べたものは括約筋を通り、腸へ運ばれる。このとき、胃に圧力がかかることで胃酸が逆流して、喉に刺激を与えてしまうそう。

そんなときは、左側を向いて横になり、腕は前に伸ばして。膝を曲げ、足は上半身に向くよう軽く丸め、胎児姿勢になって寝てみて。胸焼けがひどいときは、胸や頭を高くできるよう枕を下に敷くのがおすすめ。


腰が痛むとき→膝の間に枕を挟んで、横向きに寝る

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痛みに関する臨床医学誌『The Clinical Journal of Pain』によると、約4割の女性は体を支える骨組みである脊柱に問題を抱えているそう。「数時間にわたり不安定な姿勢で寝てしまうと、背骨が歪(ゆが)む原因となり、姿勢が悪いとさらに悪化してしまいます」と話すのは、アリゾナ州の睡眠障害センターで医長を務めるロバート・S・ローゼンバーグ医師。

寝るときは背骨を本来の位置に戻し、ゆるやかなS字カーブを描くのが理想! 横向きに寝て膝を軽く曲げ、腰はまっすぐに保って。腰を前に出してしまうと5つの骨からなる腰椎が回ってしまい、痛みが増す原因となってしまうそう。そこで膝の間に固めの枕を1、2個挟むと、腰幅が開いた状態で脚を支えることができるとか。腕は前に置いて、リラックス。この姿勢に慣れるには少し時間がかかるので、最初のうちは違和感を抱くかもしれないけど、諦めずに続けてみて。


鼻詰まりなど、鼻の調子が悪いとき→頭を高くして、横向きに寝る

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アレルギーや鼻炎、風邪などによる鼻詰まりがあるときは、あおむけに寝るのは避けて。この姿勢を保ったまま眠ると口が開きやすいため、口や鼻腔(びくう)内の乾燥の原因に。「硬くなった粘液は余計に鼻を詰まらせます」とローゼンバーグ医師。
このとき、枕をもう一つ頭の下に敷くといい。頭の位置が高過ぎると今度は腕に支えが必要となるので、抱き枕があるとなお◎。脚は少し曲げた状態で楽にして。


肩が凝っているとき→枕をハグして横向きに寝る

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重たいバッグを日頃から腕からぶらさげていたり、姿勢が悪かったりするのも肩凝りの原因。でも、主な原因は横向きで寝る姿勢にあるのだとか!? ところが「同時に横向きの寝姿勢は、肩の痛みを緩和する効果もあります」とローゼンバーグ医師。どちらにも転ぶこの姿勢だからこそ気を付けたいのが、横向きの「寝方」。

多くの女性は横向きで寝るときに、下にくる腕を頭の下に置いて寝てしまいがち。すると肩や腕、手などを支配する神経の集大成、腕神経叢(わんしんけいそう)を緊張させてしまうそう。「この姿勢は腕の上に4.5キロの重りを置いて寝るようなもの。神経を圧迫してしまいます」とローゼンバーグ医師は忠告している。

まず痛みがない方の肩を下にして、脚は軽く曲げて寝よう。下にくる腕はまっすぐ前へ伸ばし、枕を胸に抱きかかえて。上にある脚が動かないよう太ももに枕を挟み、体制をキープ。両肩が痛む際はあおむけに寝て、腕は両端でリラックスさせて寝るといいそう。


PMS(月経前症候群)の症状がつらいとき→膝の下に枕を敷いて、あおむけで寝る

月経前に気分が不安定なときや、おなかの張りや腹痛があるときは体を丸めることや、おなかを抱え込むようにして寝るのは避けよう。横向きで寝てしまうと、 乳房をきれいな丸い形に保ってくれる「クーパー靱帯(じんたい)」が重力のせいで横に垂れることから、余計に痛みを感じてしまうことも。うつぶせに寝ると今度は子宮を圧迫させるため腹痛が悪化してしまうそう。

PMS(月経前症候群)のときは、あおむけに寝るのがおすすめ。膝の下に枕を置くと腰への負担が軽減されるため腰痛も和らぐのだとか。腕は体の横にだらんとさせて。それでも痛む場合は膝の下の枕をもう1つ追加して下半身をサポートしてあげるのが◎。


ヒップ周りが痛いとき→あおむけで寝る

15%の女性は、腰関節の炎症から生じる「滑液包炎」を抱えているそう。夜通し関節が痛むとなかなか寝付けなくて困るけれど、あおむけに寝ると少しは楽になるのだとか。「けがをしている部分を下にして寝るのは最終手段としましょう」とヤーダブ医師。横向きの姿勢はヒップをマットレスに押し付けて圧迫するので同じく避けたい。

あおむけの姿勢は、座ったり歩いたりで1日中働いていた腰が唯一リラックスできるポジション。膝の下に枕を置いてサポートを加えてあげるとなおいいそう。


顎が痛むとき→顔も上向きにして、あおむけに寝る

睡眠中の歯ぎしりは、約8%の大人が抱えるとされている遺伝子疾患。さらに歯ぎしりは、ストレスや不安、睡眠障害とも関係しているそう。深刻な場合は顔の形が変わってしまうことすらあるのだとか。もし家族やパートナーに「歯ぎしりがひどい」と指摘されているのなら、あおむけに寝ること。さらに顔も天井に向けて。「そうすると下顎が本来の位置に納まり、顔の筋肉がリラックスできます」と話すのは、総合歯科学会所属の口腔(こうくう)外科医であるキャロリン・タガート=バーンズ医師。「患者さんには、口を閉じたままあおむけに寝て、上の歯と下の歯をくっつけず寝るよう勧めています」

ちなみに、人は無意識のうちに腕を曲げた方向へ体の向きも変えてしまうみたい。これを防ぐためには腕は両端に添えて、まっすぐ伸ばしてあげること。


首が痛いとき→硬めの丈夫な枕で、あおむけで寝る

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起きた時に首が痛いなら、薄い枕やふわふわの枕は、おすすめしないそう。なぜなら頭を傾斜させてしまい、首の動きを可能にする7つの骨の連なりである「頸椎(けいつい)」を圧迫し、首の筋肉に負担をかけて痛みが増してしまうから。「特にうつぶせや横向きの寝姿勢はおすすめできません」と話すのは、ワシントン州タコマでカイロプラクターとして務めるラエール・マーティン医師。

首の痛みを訴える人のほとんどは、首が本来あるべき「まっすぐな位置」にして、あおむけに寝ることで「首の痛みが和らいだ」と報告している。これには体制をキープしやすい枕があると便利。両腕は両端に置いてリラックスさせよう。間違っても腕を頭の下に入れ込まないように。

もし首の痛みの原因が椎間板ヘルニアのような病気の場合、枕はなしにして頭をマットレスに直接置いてもいいか医師に確認してみて。そうすると首をよりまっすぐに保てるそう。

※ 効果には個人差があります。症状がひどい場合は、医療機関の受診をおすすめいたします。

 

※この記事は、アメリカ版ダウンロードから翻訳されました。

Text: Malia Jacobson Translation: Yukie Kawabata Photo: Getty Images