20年前のトレンドが再び! 低糖質で健康的な「オーニッシュダイエット」とは?

07 March 2019

20年前のトレンドが再び! 低糖質で健康的な「オーニッシュダイエット」とは?

パレオ、ケトン食など最近人気のダイエットでは、動物性タンパク質と高脂質の食品を中心に摂取する。でも、20年ほど前には「オーニッシュダイエット」のような低脂質ダイエットが流行っていた。
そんなダイエット方法が、米情報誌『U.S. News & World Report』が選ぶ2019年のトップダイエットでは、第9位にランクイン。
今回は、オーストラリア版ダウンロードから「オーニッシュダイエット」についてご紹介。


オーニッシュダイエットとは?

米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の臨床医学教授で、非営利予防医療研究所「Preventive Medicine Research Institute」設立者のディーン・オーニッシュ医学博士は、1990年代初期にオーニッシュダイエットを考案した。

オーニッシュ博士が1995年に発表した著書『Dr. Dean Ornish's Program for Reversing Heart Disease』によると、オーニッシュダイエットは、全粒穀物、フルーツ、野菜(限られた糖質・動物性タンパク質・脂質を含む)を中心としたベジタリアンの食事法。心臓病の予防と治療に役立つことで広く知られており、地中海食式ダイエットと並んで、「2019年の最も心臓にいいダイエット」に選ばれている。

他のダイエットプランとは異なり、オーニッシュダイエットはストレスマネジメントによるメンタルケアにも重点を置いている。ストレスの緩和は中核的な要素のひとつで、深呼吸、ヨガ、瞑想を行うことが勧められる。

オーニッシュ博士は、筋トレ、ストレッチ、有酸素運動といった幅広いエクササイズも行うようアドバイスしている。家族や友達との関係を深め、コミュニティーからのサポートを得るのも健康の改善には不可欠。


オーニッシュダイエットは効果的なの?

オーニッシュダイエットを行えば、フルーツ、野菜、食物繊維の摂取量が増え、精製炭水化物、ナトリウム、アルコールの摂取量が減る。この食事法は、心臓病や糖尿病などの慢性疾患を改善し、できれば治したいと思っている人におすすめ。エクササイズ、ストレスの緩和、社会的なサポートも重視されているので、健康全般を改善したい人にも向いている。

オーニッシュ博士は、心臓病、前立腺がん、糖尿病といった疾患だけでなく、太りすぎやうつ病の予防と治療におけるオーニッシュダイエットの有効性を調べる研究も数多く行ってきた。

最も画期的な研究のひとつである「ライフスタイル心臓試験」は、薬や手術以外の手段で心臓病を治すことを目的とした初めての無作為化臨床試験。研究チームが、重度の冠動脈心疾患を抱える48名の患者を6年間追跡したところ、健康的なライフスタイル(オーニッシュダイエットが勧めるものに似ている)を送った人々の心臓病は5年間で大きく改善したのに対し、ライフスタイルを変えなかった人々の心臓病は悪化する一方だったそう。

泌尿器学専門誌『Journal of Urology』に掲載された2005年の論文によると、オーニッシュダイエットは早期の前立腺がんの予防と治療の助けにもなるよう。
また、心臓病学専門誌『American Journal of Cardiology』は、糖尿病患者がオーニッシュダイエットを行ったところ、必要な薬の量が減り、血糖値に著しい改善が見られたという同年の研究結果を発表している。

ダイエット効果の点は、『American Journal of Cardiology』に掲載された文献で、オーニッシュダイエットを行うことで生活習慣が改善するため、体重が大幅に減る可能性があることを指摘している。短期間で体重を減らすには、低糖質・高脂質の食生活が効果的であることを示す研究結果もあるけれど、内科医学専門誌『JAMA』が発表した2018年の論文は、オーニッシュダイエットのような低糖質・低脂質の食生活にも同等のダイエット効果があることを証明している。しかも、総合医学ジャーナル『Lancet』が取り上げた同年の研究によって、ケトン食やアトキンスなどの低糖質ダイエットは寿命を縮めることが明らかになったそう。


オーニッシュダイエットでは何を食べるの?

オーニッシュダイエットで大事なのは、摂取カロリーを減らすことではない。制限が少ないプランか、制限が多いプランに従って進めること。

制限の少ないプランでは、個人の目標によって自由裁量の余地があり、適量の魚、皮のない鶏肉、アボカド、ナッツ、シードが食べられる。一方の制限の多いプランでは、脂質から摂取するカロリーは10%未満、1日あたりのコレステロールは10mg未満と決められている。肉、魚、カフェイン(緑茶を除く)を排除し、砂糖、ナトリウム、アルコールを制限し、大豆製品は1日1食までに抑える必要もある。

どちらのプランでも、動物性タンパク質と全脂肪乳製品に含まれる飽和脂肪を避けることが勧められる。オーニッシュ博士によれば、フルーツ、野菜、全粒穀物、豆類から複合糖質を摂り、無脂肪乳製品、大豆、卵白から脂肪分の少ないタンパク質を摂取するのがいいんだそう。


オーニッシュダイエットのデメリットとは?

カロリー制限はないものの、オーニッシュダイエットでは脂質と動物性タンパク質の摂取量が厳しく制限されるため、食後に満足感が得られなかったり、必要な栄養が不足したりするかもしれない。
実質上ヴィーガンである制限の多いプランは、長期的に継続するのが難しいことも考えられる。また、1日あたりの摂取カロリーが非常に低いし、その人の食事内容によっては、特定の栄養素が欠ける可能性も。


オーニッシュダイエットを始めるには?

どちらのプランでも動物性タンパク質が制限されているので、鶏肉と牛肉の代わりに、豆腐、豆類、テンペなどの植物性タンパク質を使うことから始めてみよう。フレキシタリアン(ベジタリアンだけれど肉・魚を時々食べる)の食生活と同じく、オーニッシュダイエットでも、食事やスナックを通してフルーツ、野菜、全粒穀物の摂取量を増やすことが勧められる。

ヘルシーな脂質の摂取が許されている制限の少ないプランでは、ナッツ、アボカド、オリーブオイルの分量をコントロールし、カロリーを摂りすぎないよう注意して。制限の多いプランを行う場合は、1日あたりのカロリーと栄養素が不足しないよう、オーニッシュダイエットに詳しい栄養士の協力を得ること。

オーニッシュダイエットに限らず、新しいダイエットは、かかりつけの医師か栄養士に相談してから始めるのがおすすめ。あなたのニーズとライフスタイルに沿ったプランを勧めてくれるはず。

 

※この記事は当初、『Prevention US』に掲載されました。
※この記事は、オーストラリア版ダウンロードから翻訳されました。

Text: Jessica Levinson Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images